五右衛門風呂とは?長州風呂との違い・名前の由来は石川五右衛門?!

温泉イメージ

お洒落な温泉旅館やホテルで見かける、五右衛門風呂。懐かしさ感じるレトロな五右衛門風呂はお湯をまろやかにしてくれる効果があり、温泉好きにとってたまらないお風呂です。かの有名な石川五右衛門から名付けられた五右衛門風呂の、歴史あるルーツを辿ってみませんか?

1.五右衛門風呂の歴史


五右衛門風呂とは、円筒形の木桶と鋳鉄製の底部でできたお風呂です。風呂釜は直火で焚くので、薪がパチパチと焼ける音や、風情ある景観がたのしめます。

五右衛門風呂の底は釜があらわになっているので、火傷をしないよう底板を敷いて入浴します。江戸時代に貴重品とされていた鉄を節約するために木製の桶と組み合わせた形状で、当時は煙突がないので煙たかったり、桶と釜のあいだから水が漏れることもあったのだとか。日本各地に五右衛門風呂の文化が伝わると、共同風呂として利用できる場所ができたり、戦時中には釜の代用としてドラム缶が使われるなど、 多種多様な広がりをみせました。

熱をやわらかく伝える性質がある五右衛門風呂は、くわえて保温性と耐久性も抜群。お湯をまろやかにしてくれるので、温泉地の旅館や宿で用いられることが多い浴槽です。風呂釜の元祖だとも言われ、現在でもとても人気のあるお風呂です。

 

2.五右衛門風呂の名前の由来

出典:Wikipedia

五右衛門風呂の名前の由来は、豊臣秀吉が安土桃山時代の盗賊・石川五右衛門を釜ゆでの刑にしたという俗説から生まれました。当時盗賊の首長であった石川五右衛門は1594年10月8日に捕らえられ、京都の三条河原で生きたまま油で煮られた、と史料に残されています。

3.五右衛門風呂と長州風呂の違い


木製の桶と鉄の底部でできた五右衛門風呂と、じつによく似た形状をしたお風呂があります。それが「長州風呂」と呼ばれるもので、長州風呂は風呂釜全体が鋳鉄製でできているのが特徴です。

長州風呂は風呂釜そのものが温かくなりお湯が対流することで、湧きが早くカラダが温まりやすいのが魅力的。五右衛門風呂と違い煙突があるので煙たくなく、落ち葉や木屑といった薪以外の燃料が使えるなど、さまざまな利点から普及していきました。

そんな長州風呂ですが、現代では五右衛門風呂と一緒くたに、五右衛門風呂と呼ばれることが一般的になりました。もともとは違う種類だった2つのお風呂ですが、近年は本来長州風呂とされる風呂釜全体が鋳鉄製でできているものを、五右衛門風呂と呼ぶのがポピュラーです。

4.五右衛門風呂の楽しみ方や利用方法


五右衛門風呂の楽しみ方は、じつにさまざま。まず見た目がなんともノスタルジックなので、入浴するだけで日本情緒あふれるひとときを過ごせます。レトロな五右衛門風呂はお湯の対流により、浴槽のなかが常に温かいお湯で満たされるので、カラダをぽかぽかにしてくれる効果も。火を消してもしばらく熱が残るので、時間を気にせずじっくり入れるのも嬉しいポイントです。

また、機会があればぜひ、自分で焚き沸かしたお風呂を体験してみて。火を焚く香りがなんとも懐かしく、心落ち着く贅沢な時間が過ごせます。

五右衛門風呂がもっと好きになる!

ふだん何気なく入っている五右衛門風呂も、その歴史や名称の由来などを知ると愛着が湧いてくるはず。いまの風呂釜の元祖だとされる五右衛門風呂で、日本のお風呂文化に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。ふだんと一味違った、格別な温泉タイムが過ごせるはずです。

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