肘折温泉の日帰り温泉から観光名所まで総まとめ!

「日本で最も美しい村」に選ばれた、山形県最上郡大蔵村にある「肘折温泉」。四季によって姿を変える雄大な自然が魅力の日本有数の温泉郷です。今回はそんな肘折温泉の日帰り温泉、人気旅館、観光スポットまでまとめてご紹介します。

「肘折温泉」の泉質と効果効能

山形県 肘折温泉
「肘折温泉」の名前の由来は、肘を折った老僧がこの地のお湯に浸かり傷を癒したという説や、「銅山川」がこの地で大きく曲折している地形を表した説など、諸説語り継がれています。

「肘折温泉」の泉質は、「ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉」。浴用適応症として、きりきず・末梢循環障害・冷え性・うつ状態・皮膚乾燥症に効果効能があります。

湯の中に多く含まれている重曹(炭酸水素ナトリウム)が肌の古い角質を洗い流すため、「美人の湯」という側面もあります。

「肘折温泉」の夏の景色

「肘折温泉」に訪れたら見ておきたいのが、開湯1200年を迎えた2007年の夏から続いている灯籠絵展示会「ひじおりの灯」です。肘折地区と東北芸術工科大学の共催で開催されており、期間中は旅館や商店の軒先、湯治部屋などの風情ある会場をこの灯籠絵が彩ります。

また「肘折温泉」は朝市も人気です。4月下旬から9月までは朝5時半から7時、10月から11月下旬までは朝6時から7時半まで行われています。

肘折温泉で人気の温泉施設10選

それでは、そんな魅力あふれる「肘折温泉」のおすすめ施設をまとめて見ていきましょう!

その1︰日帰り温泉ツアーも人気な「肘折いでゆ館」

「肘折いでゆ館」には、かけ湯・寝湯を備えた木造りと石造りの2つの展望風呂・温泉療養室・多目的ホール・大休憩室・小休憩室(3室予約制)と、ゆったりとくつろげる要素がそろっています。

お風呂は3階にあり、温泉街を見渡しながら入浴が可能です。寝湯は何時間でも入っていられるくらい温度もちょうどよく、心身ともに癒されますよ。また温泉療養室では、温泉療法医による効果的な総合的指導を受けられます。

「肘折いでゆ館」は温泉街とは少し雰囲気が異なり、コンクリートにガラスの外観で、館内にはエレベーターも完備。体に対しても細かく気遣いを感じられる施設になっています。日帰り温泉ツアーも用意されているので、ぜひ一度立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

「肘折いでゆ館」の施設情報

施設名 肘折いでゆ館
住所 山形県最上郡大蔵村南山451-2
電話番号 0233-34-6106
URL http://www.hijiorionsen.jp/ideyukan/

その2︰炭酸いっぱいのお湯を堪能するなら「カルデラ温泉館」

良質の冷たい「炭酸泉」(二酸化炭素冷鉱泉)が湧き出ている「カルデラ温泉館」には、大浴場に入る手前に飲泉場があります。肘折温泉の泉質の特徴のひとつでもある炭酸がしっかり含まれており、内側からも傷を癒してもらえている気分になれますよ。

この源泉を10%加え、サイダーに仕上げた「肘折カルデラサイダー」も人気。一般的なサイダーと比べるとまろやかで味わい深いと評判で、お風呂上がりにもぴったりです。肘折カルデラサイダーはお土産屋さんやほかの旅館の売店などでも販売されていますので、お土産としてもおすすめ!

「カルデラ温泉館」の施設情報

施設名 カルデラ温泉館
住所 山形県最上郡大蔵村南山2127-79
電話番号 0233-76-2622
URL http://www.hijiorionsen.jp/karuderakan/

その3︰石造りのお地蔵さんがいる共同浴場「上の湯」

コンクリートむき出しの外観「上の湯」は温泉街の中心にある共同浴場で、「肘折温泉」のシンボルです。男女別の内湯が1つずつあり、男湯にも女湯にもお地蔵さんがいます。湯船に立っているお地蔵さんは、肘折の地名の由来になったお坊さんを形どっているそう。

「上の湯」は湯上がりがさっぱりしているため、冷えの湯とも言われています。また疵や骨折にもよく効くことから、疵湯(キズユ)という別名も。

肘折住民の多くが、自宅のお風呂ではなく「上の湯」をよく利用しています。タイミングが合えば、地元の方々と湯船に浸かりながら交流できるかもしれません。温泉街で宿泊すると入浴券をもらえるので無料で入浴可能です。

昔ながらの共同浴場のため、シャワーや備え付けの石鹸・シャンプー・貴重品を入れるロッカーはありません。タオルと入浴料を握りしめて身軽で行くといいでしょう。

「上の湯」の施設情報

施設名 上の湯
住所 山形県最上郡大蔵村南山
電話番号 0233-76-2211 (肘折温泉観光案内所)
URL

その4︰大自然のなかの秘湯感あふれる「石抱温泉」

「ゑびす屋」が無料開放している「石抱温泉」は、大自然に囲まれた秘湯感あふれる温泉です。湯船が1つしかないため混浴になっており、湯底からは小さな気泡がプクプクと湧き出しています。入浴する際は必ず管理者である「ゑびす屋」に許可を取ってから入浴しましょう。

冬は積雪により入浴できないため、5月下旬から10月いっぱいを狙って行くとよいかもしれません。また周りを木々に囲まれているため、夏は虫に注意が必要です。

「石抱温泉」の施設情報

施設名 石抱温泉
住所 山形県最上郡大蔵村南山
電話番号 0233-76-2008(旅館ゑびす屋)
URL http://www12.plala.or.jp/ebisu8/hitou.html

その5︰齋藤茂吉も宿泊した「松井旅館」

山形県上山市に生まれた医師であり歌人の齋藤茂吉。彼が昭和20年に戦火の東京から金瓶(かなかめ)に疎開した際、一度だけ訪れた肘折温泉で宿泊したのが「松井旅館」です。

齋藤茂吉が「大蔵鉱山跡」まで足をのばし句を詠んだときの短冊が「松井旅館」に大切に保管されています。松井旅館のご主人に当時の齋藤茂吉の様子を聞いてみるのもおもしろいかもしれません。

「松井旅館」には露天岩風呂・源泉風呂・内湯のお風呂があります。内湯は男女別ですが、源泉風呂・露天風呂は混浴です。混浴の露天岩風呂には男女別の内湯からそのまま入っていくことができるつくりになっているので、混浴風呂初心者の方でも入りやすいかもしれません。

「松井旅館」の施設情報

施設名 松井旅館
住所 山形県最上郡大蔵村大字南山491
電話番号 0233-76-2016
URL http://matsuiryokan.com/

その6︰疵湯のある「亀屋旅館」


画像出典:http://hijiori-touji.jp/hotel/kameya/

「亀屋旅館」は良質な2つの温泉を楽しめる旅館です。1つ目は傷や骨折によく効くという「疵湯」、2つ目はお湯から上がっても体温が下がらない「あったまりの湯」。

「疵湯」があるのは「上の湯」と「亀屋旅館」の2つだけなので、治癒効果の高い「肘折温泉」のなかでも「亀屋旅館」は外せない名湯と言えます。日帰りだけではなく、宿泊してゆっくりと体を癒してみてはいかがでしょうか。


画像出典:http://hijiori-touji.jp/hotel/kameya/

「亀屋旅館」の部屋は隣の部屋との仕切りが襖となっていて、部屋の鍵もありません。また温泉街の通りに面しており「亀屋旅館」の前の通りを歩く人々の下駄の音や話し声が聞こえます。「亀屋旅館」は、昔ながらの湯治宿を味わいたい方にピッタリで、温泉街らしい音を感じることのできる旅館です。

「亀屋旅館」の施設情報

施設名 亀屋旅館
住所 山形県最上郡大蔵村南山521
電話番号 0233-76-2311
URL http://hijiori-touji.jp/hotel/kameya/

その7︰レトロモダンな雰囲気が魅力の「丸屋旅館」

家族で経営している「丸屋旅館」には外観から内装まで、レトロモダンな雰囲気。カラフルなタイルの流しなどついつい写真を撮りたくなってしまいます。家族経営だからこそ、そんなあたたかみのあるアットホームな旅館の雰囲気を作り出しているのかもしれません。

「丸屋旅館」には、金山杉の湯・檜葉の湯・露天風呂(檜葉の湯に併設)・貸切混浴(幸鶴の湯)・玄関脇箱檜葉足湯(あしの湯)と計5つのお風呂と足湯があります。なかでも金山杉の湯と檜葉の湯は、浴槽に使用している木にもこだわりが。

“金山杉の湯”は樹齢80年以上の大径木となってから伐採する強度の強い金山杉を使用し、“檜葉の湯”は香木とも言われる香りが強くリラクゼーション効果のある青森檜葉を使用しています。ぜひ入浴の際は浴槽の味わいにも注目してみてください。

「丸屋旅館」の施設情報

施設名 丸屋旅館
住所 山形県最上郡大蔵村南山519
電話番号 0233-76-2021
URL https://www.maruya-ryokan.com/

その8︰源泉でつくった温泉たまごも名物「大友屋旅館」

接客や館内の清潔さでも定評のある「大友屋旅館」。玄関脇には大友屋源泉があり、この源泉の中で温泉たまごがつくられています。温泉に浸かって癒されたあとは、源泉でつくられた温泉たまごもぜひご賞味ください!

「大友屋旅館」の施設情報

施設名 大友屋旅館
住所 山形県最上郡大蔵村肘折温泉505
電話番号 0233-76-2331
URL http://www.bb-town.jp/ootomoya/

その9︰温泉街を見渡せる「優心の宿 観月」

肘折温泉を見渡すことができる位置にたつ「優心の宿 観月」。お部屋からも川が見えるので、灯篭流しの時期に行くと灯篭の美しさを堪能することができます。ひじおりの灯が開催される夏に訪れたい温泉です。

「優心の宿 観月」の施設情報

施設名 優心の宿 観月
住所 山形県最上郡大蔵村南山516
電話番号 0233-76-2777
URL http://hijiori-roten.com/

その10︰珍しい手彫りの洞窟風呂「松屋」

「松屋」には、「洞窟乃湯」、「大浴場のやませみの湯」、「きびたきの湯」の3種類のお風呂があります。「洞窟乃湯」は、大正時代に職人たちによって彫られた約40メートルの珍しい手彫り洞窟風呂です。ごつごつした手彫りの岩肌は、火照った体にちょうどいいかもしれません。低めの温度なので、熱いお湯が苦手な方にもおすすめです。

「松屋」の施設情報

施設名 松屋
住所 山形県最上郡大蔵村南山498
電話番号 0233-76-2041
URL http://www.anayu.com/

肘折温泉周辺のおすすめ観光スポット4選

その1︰国内最大級の鋼製ラーメン構造桟道橋「肘折希望大橋」

全長240メートルの国内最大級の鋼製ラーメン構造桟道橋として、約2年間の工事を経て開通した「肘折希望(のぞみ)大橋」。

橋の構造である“ラーメン構造”はドイツ語で“骨組み”を意味していますが、このラーメンという言葉にあやかり、大蔵村では大蔵村産のはえぬきを使用した大蔵米粉麺も開発されました。この大蔵米粉麺を使用した料理を提供する旅館もあるそうなので、見つけたらぜひ食べてみてください。

「肘折希望大橋」の施設情報

施設名 肘折希望大橋
住所 山形県最上郡大蔵村南山
電話番号
URL http://www.vill.ohkura.yamagata.jp/news/1135/

その2︰良縁に恵まれると信仰されている「地蔵倉」

温泉街から遊歩道でゆっくり歩いて40分ほどの場所にある「地蔵倉」。肘折温泉開湯伝説の地で、肘折温泉の名前の由来にもなっている老僧が棲んでいたとされており、縁結びや子宝・商売繁盛のパワースポットとしても有名。多くの人がお参りに訪れます。

岩肌に数多く空いている穴に、紙を通して結びつけると願い事が叶うという言い伝えがあり、訪れた人たちの結びつけた紙と「ご縁がありますように」という意味で括りつけられた5円玉が不思議な空間をつくりだしています。

すでにたくさんの紙が通されているため、何も通されていない穴を見つけるのはなかなか難しいようですが、訪れたからにはチャレンジしてみたいですね。切り立った岩肌をつたって歩き、汗をかいて辿りつく「地蔵倉」は、道中の景色も絶景です。

「地蔵倉」の施設情報

施設名 地蔵倉
住所 山形県大蔵村大字南山
電話番号 0233-75-2111(大蔵村役場)
URL http://yamagatakanko.com/spotdetail/?data_id=284

その3︰腰湯に浸かっている感覚になる「源泉ドーム」

国の登録有形文化財に指定されている肘折ダムの手前にある「源泉ドーム」。卵のような形をしたこのベンチ「源泉ドーム」はただのベンチではありません。

ドームの四方にある覗き穴をのぞくと温泉が勢いよく湧き出る源泉が見えます。この温泉によりドームの石が温められ、腰のあたりがじんわりとあたたかい腰湯に浸かっている感覚になるのです。

「源泉ドーム」の施設情報

施設名 源泉ドーム
住所 山形県最上郡大蔵村
電話番号 0233-75-2111(大蔵村役場)
URL http://yamagatakanko.com/spotdetail/?data_id=9161

その4︰日本の棚田百選にも選ばれた「四ヶ村の棚田」

肘折温泉から車で20分程離れた場所にある「四ヶ村の棚田」は、日本の棚田百選にも選ばれています。夏には「四ヶ村棚田ほたる火まつり」が開催され、20ヘクタールの棚田のあぜ道に約1200本のろうそくが灯されます。とても幻想的な夜をご体感ください。

「四ヶ村の棚田」の施設情報

施設名 四ヶ村の棚田
住所 山形県最上郡大蔵村南山
電話番号 0233-75-2324(大蔵村役場産業振興課)
URL http://www.vill.ohkura.yamagata.jp/tour/shikamura/

独特の魅力がつまった肘折温泉

山形県 肘折温泉
肘折温泉は「日本で最も美しい村連合」に属する山形県最上郡大蔵村の中にあり、周囲は季節によってその表情を変える大自然。長く湯治場だった肘折温泉は、他の一部の温泉地のように軽薄にモダン化していないことも魅力です。

昔のひなびた温泉地の独特な雰囲気を味わいたいと願っている方々には、最適の温泉地に間違いありません。

関連記事はこちら