千と千尋のモデルになった共同浴場「道後温泉本館」で最高の日帰り体験を

「道後温泉本館」は、愛媛県松山市にある「道後温泉」のシンボルとして古くから人々に親しまれている温泉共同浴場です。歴史を感じさせる雰囲気満点の建物は、明治期に改修された近代和風様式の建築としての価値が認められ現在は国の重要文化財に指定されています。

雰囲気満点の共同浴場で歴史を感じながら温泉につかるひと時を「道後温泉本館」で体験してみてください。

映画『千と千尋の神隠し』のモデルとなった道後温泉本館

『千と千尋の神隠し』に登場する「油屋」のモデルとなった温泉


「道後温泉本館」は、映画『千と千尋の神隠し』に登場する「油屋」のモデルのひとつとなった入浴施設です。『千と千尋の神隠し』の制作スタッフが「道後温泉本館」に滞在し、スケッチを行なったという記録も残っているそうです。

こちらのように今もなお残っている明治期近代和風建築の入浴施設は大変珍しく、制作スタッフの目にも魅力的に写ったんでしょうね。「道後温泉本館」は、『千と千尋の神隠し』ファンならずとも一度は観て欲しい、素敵な姿をしています。

無加温・無加水の「源泉かけ流し」の湯

「道後温泉本館」では、道後温泉のお湯を源泉掛け流しで楽しむことができます。加温も加水も行っていない源泉そのままのお湯が浴槽に注がれているんです!もちろん循環ろ過もしていないので、常に新鮮なお湯につかることができますよ。ただし、愛媛県の条例でお湯に塩素が投入されているため多少の塩素臭がします。

源泉かけ流しとは?

道後温泉本館の2つの浴室

「道後温泉本館」には、1階の「神の湯」、2階の「霊の湯」というふたつの浴場が用意されています。「神の湯」に比べ「霊の湯」の方が高級な石を使用して設えられており、ワンランク上の浴室として設定されています。ふたつの浴槽のさらに詳しい内容について以下に見ていきましょう。

神の湯(かみのゆ)

「神の湯」は、銭湯のような感覚で利用できる温泉共同浴場として昔から多くの市民に利用されてきました。現在も地元の方が日常的に利用する浴場として愛され続けています。

気軽に温泉を楽しむことができる街のシンボル的な存在である「道後温泉本館」が辿ってきた歴史を、肌で感じるために最適な浴場であると言えますね!歴史ある共同浴場で、ぜひ道後温泉の魅力に触れてみてください。

霊の湯(たまのゆ)

ワンランク上の浴場である「霊の湯」は、「神の湯」と比べて高級な設えになっています。やや小ぶりで落ちついた雰囲気の浴場では、のんびりとくつろいで道後温泉のお湯を楽しむことができますよ!「神の湯」よりも比較的利用者が少なく、お湯をひとり占めしているよな気分が味わえるかもしれません。

ワンランク上の落ちついた空間で「道後温泉本館」の雰囲気を楽しみたいという方におすすめの浴場です。

道後温泉本館の施設

1階の「神の湯」、2階の「霊の湯」というふたつの浴場の他に、「道後温泉本館」にはいくつかの特別なスペースが設けられています。それぞれのスペースがどのように利用されているかについて以下に解説していきます。

振鷺閣(しんろかく)

「道後温泉本館」では、朝6時の開館時、正午、午後6時のタイミングで1日3回太鼓が鳴らされます。定時に決まって鳴らされることから、それを「刻太鼓(ときだいこ)」と呼ぶそうですよ!毎日決まった時間に「刻太鼓」を鳴らす部屋が「振鷺閣」なんです。

つまり「道後温泉本館」には、太鼓を鳴らすための部屋が設けられているということですね。

又新殿(ゆうしんでん)

「又新殿」は、日本で唯一の皇室専用浴場です。浴槽に最高級の御影石が使われた贅沢な浴場になっています。ただし、これまでに10名程の皇族が入浴してきたとされていますが、1952年を最後に現在まで誰も使用していないとのこと。なんだか勿体無いですよね。現在では、「霊の湯」の入浴券を購入した人を対象に、ガイド付きの無料見学ツアーが行われています。

坊っちゃんの間

「道後温泉本館」の3階、一番奥の部屋は「坊ちゃんの間」と名付けられ入浴券を購入した全ての人が見学できるよう開放されています。夏目漱石がこよなく愛し、頻繁に利用したとされる「道後温泉本館」の一室を、漱石にゆかりのある資料の展示室として利用しているんですね。漱石ファンならぜひ一度は訪れたいスペースです。

道後温泉本館の4つの入浴コースと料金

利用する浴場や休憩室のランクに応じて、「道後温泉本館」には4つの入浴コースが用意されています。それぞれのコースの概要と利用料金について以下に解説していきます。

1. 霊の湯 三階個室コース

「霊の湯」で入浴した後、3階に用意された個室でゆったり休憩することができるコースです。4つの入浴コースの中で最も贅沢なコースですね!雰囲気の良い個室でのんびり入浴後の休憩を楽しむ時間は格別です。

「道後温泉本館」の魅力を堪能したいという方は、迷わずこちらのコースをご利用ください。ただし、個室の数に限りがあるので事前のご予約をお忘れなく!

霊の湯 三階個室コース
利用料金:大人1,550円 子供770円
営業時間:6時00分~22時00分
利用時間:1時間20分以内
礼止:20時40分
サービス:坊っちゃん団子・貸しタオル・石鹸・白鷺模様の浴衣

2. 霊の湯 二階席コース

「霊の湯」で入浴した後、2階にある共同休憩スペースで休憩するコースです。個室での休憩は必要ないけれど、ワンランク上の浴場でのんびりとお湯につかりたいという方におすすめのコースですね。

「神の湯 二階席コース」で利用する休憩スペースとは別の、このコース専用となる共同休憩スペースが用意されていて、休憩スペース自体も比較的くつろぐことのできる空間になっています。

霊の湯 二階席コース
利用料金:大人1,250円 子供620円
営業時間:6時00分~22時00分
利用時間:1時間以内
礼止:21時00分
サービス:おせんべい・貸しタオル・石鹸・湯玉模様の浴衣

3. 神の湯 二階席コース

「神の湯」で入浴した後、2階にある共同休憩スペースで休憩するコースです。大衆温泉浴場として賑わう「神の湯」でお湯につかった後、休憩スペースで休憩がしたいという方はこちらのコースを選択してください。「神の湯」利用者のための、専用共同休憩スペースはいつも大勢の利用者でにぎわっています。最も道後温泉ならではの情緒を味わうことができるコースと言えるかもしれません。

神の湯 二階席コース
利用料金:大人840円 子供420円
営業時間:6時00分~22時00分
利用時間:1時間以内
礼止:21時00分
サービス:おせんべい・湯玉模様の浴衣

4. 神の湯 階下コース

休憩スペースを利用せずに「神の湯」での入浴を楽しむコースです。「道後温泉本館」の浴場だけを利用したいという方はこちらのコースをご利用ください。当たり前ですが、4つのコースの中で最も低料金のコースでもあります。銭湯のように「道後温泉本館」を利用できるのはとても嬉しいですよね!

神の湯 二階席コース
利用料金:大人410円 子供160円
営業時間:6時00分~23時00分
利用時間:1時間以内
礼止:22時30分

2018年秋以降に耐震化修工事を予定

改修工事は7~9年を想定

現在、松山市では大規模な「道後温泉本館」の改修工事を行う計画が進んでいます。以前から老朽化の問題から改修工事の計画自体はあったのですが、最近になって新たに「2018年秋以降」という具体的な工事開始時期の目処が発表されました。古い建物であるがゆえに耐震強度にも問題があり、今後も「道後温泉本館」を存続させていくためにはどうしても必要な工事とのこと。

工事が始まれば、7~9年の間は建物の全容を観ることはできなくなってしまいますが、これから先の「道後温泉本館」のことを考えると仕方ありませんね。これまでの魅力を残しつつ、これから先もずっと存続し続けられるよな建築として生まれ変わる「道後温泉本館」の姿を楽しみにしながら、無事に工事が終わるのを待ちましょう!

工事中も入浴利用は可能

松山市の発表によると、耐震強化に伴う「道後温泉本館」の改修工事期間中も、温泉共同施設として入浴が可能な状態を保つとされています。工事期間終了まで建物の全容を観ることはできませんが、常に入浴ができる状態であるのはとても嬉しいことですよね!

また、2017年9月には「道後温泉本館」の代替え施設として「道後温泉別館 飛鳥乃湯」がオープンする予定なので、そちらも併せて利用してみてください。

道後温泉本館の姉妹湯

道後温泉 椿の湯

「道後温泉本館」のすぐ目の前に伸びる「道後商店街」の中ほどに「道後温泉 椿の湯」はあります。「道後温泉 椿の湯」は、「道後温泉本館」の姉妹湯として昭和28年に新設された大衆浴場で、お湯も設備も「道後温泉本館」とほとんど同じものを楽しむことができます。新設以来、地域の人々が集う入浴施設として長く愛されてきました。「道後温泉本館」と併せて、ぜひ利用してほしい入浴施設です。

道後温泉別館 飛鳥乃湯

2018年の秋から長い改修工事期間に入る「道後温泉本館」の代替え入浴施設として、「道後温泉別館 飛鳥乃湯」が新しくオープンします。オープン予定は2017年9月。飛鳥時代の建築様式を取り入れた入浴施設というコンセプトのもと、長い歴史を誇る「道後温泉」の魅力を発信する拠点としても利用される予定なんだとか。

愛媛の伝統工芸や最先端アートとコラボレーションしながら道後の温泉文化を発信していくそうですよ!なんだかとても面白そうな施設ですよね。

道後温泉本館へのアクセス・駐車場情報

道後温泉本館へのアクセス

松山空港からのアクセス
松山空港リムジンバス道後温泉駅前行きで約40分

JR松山駅からのアクセス
JR松山駅前より伊予鉄道市内電車道後温泉行きで約25分

道後温泉本館周辺の駐車場

車で「道後温泉本館」に行かれる方は、「道後温泉駐車場」を利用されることをおすすめします。

道後温泉駐車場
住所:松山市道後湯之町4-30
利用時間:午前5時30分〜午後11時30分
収容台数:100台
利用料金:30分100円
泊まり料金:720円(午後8時30分〜翌午前8時30分)

施設名 道後温泉本館
住所 愛媛県松山市道後湯之町6−8
電話番号 089-921-5141

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